
コオーディネーション能力とは

視覚や聴覚などの感覚から
得た情報をもとに状況を判断し、
関節や筋肉を連携させて、
身体を思い通りにコントロールする能力です。

⾝体運動の基礎となる能⼒として、平衡能⼒がベースになっています。その次に運動場⾯で発揮される能⼒として、定位能⼒、分化能⼒、反応能⼒、リズム能⼒が位置づけられています。 そして、より⾼次な能⼒として、様々な能⼒を組み合わせた結合能⼒や状況変化に応じた対応を可能にする変換能⼒が位置づけられています。
これらの能⼒が様々な運動場⾯において組み合わさることで、⾝体や道具を正確にコントロールすることを可能にします。

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平衡能力
静的・動的・操作的な状況で
バランスを保つ能力。 -
定位能力
時空間を正確に把握する能力。
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分化能力
筋出力を調整し、身体や用具を
精密に操作する能力。 -
反応能力
刺激に対し、適切なタイミングや
速度で素早く反応する能力。 -
リズム能力
聴覚や視覚情報をもとに、
リズムを伴った動きを表現する能力。 -
結合能力
複数の動作をスムーズに連携させ、
一連の動作としてまとめる能力。 -
変換能力
状況の変化に応じて、
動作を素早く切り替える能力。
これまで児童期以降の子どもの体力・運動能力の測定評価には、新体力テスト(文部科学省、1999)を用い、主にボール投げや立ち幅跳び、握力等、筋出力を最大限に発揮するエネルギー系を中心としたテストが実施されており、幼児においても概ね同様の測定項目が用いられ、長年に渡り研究が蓄積されてきました。
そこで、これまでの測定項目に新たに神経系の視点を取り入れた項目を加え、子どもたちの運動能力の発達をエネルギー系、神経系の両面から測定評価することができれば、現状の幼少期の発達課題に即した運動能力を評価できるのではないかと考えました。
このような問題意識に対し、コオーディネーション能力の視点から、筋出力を条件に応じて調整し動作の正確性を評価するコオーディネーション能力テスト(Coordination ability Test: CaT)を開発し、運動能力の発達を多角的に捉えるための新たな測定評価の方法を探り、研究を進めてきました。
